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乙4 物理化学の計算問題を
優しく解説(全23問)

(1)C3H7OHが完全燃焼した時の化学反応式の作成手順

1、公式に当てはめて数を数える

   公式「 燃焼させる物質 + ●O2 → ▲CO2 + ■H2O    」

C3H7OH + ●O2 → ▲CO2 + ■H2O

   Cx3 Hx8 Ox3           →          Cx1 Hx2 Ox3

 ・左辺の「C」「H」「O」の数は

  左辺に「C」は「C3」だけなのでそのまま3つ

  左辺に「H」は「H7」と末尾に「H」が1つ有るので8つ

  左辺に「O」は「C3H7OH」の中に1つ「●O2」の中にも「O」が2つ有るので3つ

  この様に左辺と右辺の数も数えると、

  左辺は「Cx3 Hx8 Ox3」で、右辺は「Cx1 Hx2 Ox3」である事が分かります。

 

2、左辺と右辺の「C」「H」の数を合わせ、最後に「O」の数を決める

 ・左辺の様に右辺のCも3つに合わせるために係数▲に数字を入れる

  右辺に「C」は「▲CO2」の中に有るので、

  「▲CO2」の▲に「3」を当てはめて「C」を3つにする。

  これで「▲CO2」は「3CO2」になりました!この▲の部分を

 「係数」と言います。

 ・左辺の様に右辺のHも8つに合わせるために係数■に数字を入れる

  右辺に「H」は「■H2O」の中に有るので、「■H2O」の■に「4」を当てはめ

  「H」を8つにする。

  これで「■H2O」は「4H2O」になりました!

3、新しく決まった右辺に合わせて、左辺の「O」の数を合わせる

 ・係数▲と■が決まったので、

  改めて右辺「3CO2 + 4H2O」の「O」の数を数える。

  「3CO2」では、係数3が先頭に付いて「3 x CO2」という意味なので、

  「CO2」の中の「O」2つに3を掛けて6つ有る事が分かります。

  「4H2O」では、係数4が先頭に付いて「4 x H2O」という意味なので、

  「H2O」の中の「O」1つに4を掛けて4つ有る事が分かります。

  よって、右辺の中には「O」が合計10あります。

 ・右辺に合わせて左辺の「O」の数も10になる様に係数●に数字を当てはめる

  左辺には「C3H7OH」の中で既に「O」が1つあります。

  なので左辺の「●O2」の中で「O」の数を9つにして

  左辺全体で10になる様に係数●を決めます。

  「●O2」の「O2」に「O」が2つあるので、

  9の半分の4.5を係数●にして「4.5C2」と出来ます。

4、ここまででできた係数●▲■を公式に当てはめて

  「C3H7OH」が完全燃焼した時の化学反応式が完成

   C3H7OH + 4.5O2 → 3CO2 + 4H2O

 上の様に、(1)C3H7OH は上の通りになり、

 係数●は4.5でした。

 よって(1)C3H7OH の酸素の消費量は4.5molです。

 同様に

  (2)CH3COCH3    (3)C2H5OC2H5    (4)CH3COC2H5    (5)CH3COOC2H5

 の係数●も調べると、

   (1)は 4.5mol    (2)は 4mol    (3)は 6mol    (4)は 5.5mol    (5)は 5mol

 消費した酸素量は左辺「O2」の量なので、係数●が一番多い 

 (3)C2H5OC2H5が正解です。

 

ちなみに係数が4.5や5.5の様に小数点を付ける場合もあれば、

試験問題に記述される係数は、4.5を「9/2」、5.5を「11/2」と分数で表記される場合もあります。

問3、次の示性式で表される物質1molを完全燃焼させた場合、

 必要な酸素量が最も多いものを選べ

 (1)C3H7OH    (2)CH3COCH3    (3)C2H5OC2H5    (4)CH3COC2H5    (5)CH3COOC2H5

実際の試験ではこの手の問題は1問程度で多くは出題されないので

ゆっくり解く時間はあります。

しかし公式を暗記しておかないと解けません。

公式「 燃焼させる物質 + ●O2 → ▲CO2 + ■H2O    」と

係数●▲■の数字の入れ方、数え方を覚えましょう!

 この問題の答えは、(2)で酸素量は3molです。

 この問題を素直に解くと以下の様になり、答えは(4)になりそうですが違います。

  (1)2mol    (2)3mol    (3)3mol    (4)5mol    (5)2mol

 

 選択肢の「(3)2CH3OH」と「(4)2CH3CHO」は、

 先頭に「2」が置いてあり2molになっています。

 よって他の選択肢と同じく1molに揃える必要があるため、

 最後に係数●を2で割る必要があります。

  (1)2mol    (2)3mol    (3)1.5mol(又は3/2mol)    (4)2.5mol(又は5/2mol)    (5)2mol

練習問題

(1)CH4(メタン) (2) C2H4(エチレン)(3)2CH3OH(メタノール)

(4)2CH3CHO(アセトアルデヒド) (5)CH3COOH(酢酸)

この練習問題の様に1molに変換する事になりますし、

化学反応式自体、出題確率が高いので覚えましょう!

乙4 物理化学の計算問題を

優しく解説(全23問)目次

 ●問1、プロパン(C3H8)88gに含まれる炭素原子物質量[mol]として正しいものはどれか。
 ●問2、炭素3gを燃やすと二酸化炭素は何gできるか。
 ●問3、次の示性式で表される物質1molを完全燃焼させた場合必要な酸素量が最も多いものを選べ。
 ●問4、プロパン22gを完全燃焼させる場合消費する酸素量は?炭素を12、水素を1、酸素を6とする。
 ●問5、10℃のとき2,000Lのガソリンは20℃になると約何L増えるか。(体膨張率は0.00135とする)
 ●問6、炭素24g燃やす事で発生する二酸化炭素は何gか。
 ●問7、以下の熱化学方程式を用いC2H4の生成熱を求めよ。
 ●問8、水素(H2)、炭素(C)、プロパン(C3H8)の燃焼熱がそれぞれ286 kJ/mol、394 kJ/mol、2219 kJ/molである場合プロパンの生成熱を求めよ。
 ●問9、10℃の水200gに4,200Jの熱量を与えると何℃になるか。水の比熱は4.2J/(g・K)とする。
 ●問10、200gの水に10gの食塩を溶かした場合溶液の濃度は何%になるか。
 ●問11、ある気体が427℃1気圧のもとで2ℓの場合の質量が9.4g。この気体の分子量は幾らか。
 ●問12、3気圧で20℃のプロパン3molの体積はいくらか。
 ●問13、液体10gの温度を20℃→50℃まで上げるのに756Jの熱量を必要とした液体の比熱は何J/(g・K)か。

 ●問14、25℃の水 1000g を 45℃まで上昇させるために必要な熱量は何KJか。比熱を 4.2J/(g・℃)とする。
 ●問15、1000Lのガソリンが10℃から30℃になると体積は何L増加するか?
 ●問16、空気の中に窒素80%酸素20%を含む時、空気の見かけの分子量として正しいものはどれか。
 ●問17、50Lの容器の中に5kPaの酸素50Lと8kPaの窒素100Lを入れた気体全圧として正しいものはどれか?
 ●問18、0℃のある液体100gに12.6kJの熱量を与えると何度になるか。液体の比熱は2.1J/(g・K)とする。
 ●問19、80℃の銅500gを20℃の水に入れると全体の温度は25℃になった。流れ出た熱量は幾らか?
 ●問20、二酸化硫黄、酸素、三酸化硫黄が平衡を右に移動する組み合わせは、A〜Eのうちどれか。
 ●問21、水素H2が燃焼し水蒸気H2O(気)が発生する時の燃焼熱はどれか(気)気体(液)は液体の状態。
 ●問22、0℃1気圧にて22.4Lの一酸化炭素と酸素22.4Lを混合して完全燃焼させたとき反応した酸素の体積と反応後の気体の体積として正しいものはどれか。
 ●問23、0℃1気圧においてアセトン11.6gが完全燃焼するものと仮定した必要空気量として近いものはどれ。空気中に占める酸素の体積の割合は20%、原子量はH=1、C=12、O=16でありる。

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